Argentina Delivers Care to Mothers and Children
課題
アルゼンチンは、ヘルスケア改革を10年間続け、また一人当たりの保健消費額が多いにも関わらず、全人口の3分の1が基礎的な保健サービスの提供を受けないまま21世紀を迎えました。自費での支払い率が高く、貧しい家庭では全収入の平均9%以上を占めています。
2001年に経済危機が襲った時には、貧困率は急騰し、低所得者の半分以上が健康保険を失い、貧困層の健康状態はひどく悪化しました。減少していた子供や母親の死亡率は再び上昇しました。最も貧しい地域が国内でも最悪の状況となりました。
アプローチ
アルゼンチン政府は、2004年に6歳以下の子供達および未保健加入の母親に妊娠期および産後45日間の無料の公的保健を提供するナセール計画を実施しました。同計画には、3つの特徴があります:明確な利益の供与、目標達成に関わる費用の提供、およびサービスの提供と質を確認する外部の監査などです。
ナセール計画の一部として、政府は保健システムの質の向上をはかるため、インセンティブを高めるよう実施環境を改善しました。IBRDは保健システムの非効率性の原因及びより貧困層のニーズに見合う選択肢の追求のための分析支援を行いました。IBRDは、改革の基盤となる組織の構造改革を支援するため、地方の母親および子供の保健セクター融資を承認しました。
アルゼンチンの新しい保健システムでは、以下の役割分担がされています。
- 保健省:(i)10目標の達成状況により各州に融資を行う(ii)サービス提供の基準を設定(iii)各州の基準やアカウンタビリティの適合性を監督。
- 州政府:(i)目標となる人口数の特定(ii)プログラムにメンバーを登録(iii)各州の保健ユニットを設立。
- ヘルスケア提供者は、受益者人口を増やすため質の向上をはかりながら費用効率の良いサービスを提供。各州の担当ユニットは各サービスの料金をサービス提供者に支払う。
結果
ナセール計画の貢献:
- 以前は未保健加入者であった妊婦や子供達が簡易保険を持ち、保健サービスを受けることができる。
- 妊娠20週以前の出産前健診の受診率が3%から52%に上昇。
- 国内の予防接種率が94%に到達。
- 幼児死亡率が2002年から20%も減少(1000人中13.3人)。最貧困地帯では過去最も早い改善率。
ナセール計画は、一定の予算と方法で行われてきた従来のシステムから結果重視のものに移行することにより、サービス提供者に影響を与え、透明性やアカウンタビリティを確保し、より良い業績を生み出すことによって受益者に貢献してきました。
未来に向けて
IBRDは、アルゼンチンがミレニアム開発目標を達成し、独自の保健目標に他するまで支援を続けます。2012年にかけて地方の母親と子供の健康を維持するためのProvincial Maternal-Child Health Investment Projectは、基礎保健サービスの質の向上、及びナセール計画の拡充・発展を目指します。また、世界銀行はアルゼンチンの保健省の指導力や管理能力の向上を目指し、技術協力も行っています。