
2007年2月23日、東京-世界銀行のコモロ、エリトリア、ケニア、セーシェル、ソマリア担当局長のコリン・ブルースが訪日、ケニアのための新たな戦略的協調について日本政府および援助関係者と協議を行いました。また、来月世銀理事会にかけられるケニアの国別援助計画(CAS)進捗状況報告書について、関係者と協議が行われました。アフリカの国々が直面する課題と機会について、聞きました。(聞き手:世界銀行東京事務所平井智子広報担当官) 平井: 来月理事会で話し合われる予定の国別援助戦略(CAS)進捗報告書のポイントを挙げてください。 ブルース局長: 本報告書はIFCおよびMIGAと共同で作成されたもので、2004年-2007年における国別援助戦略(CAS)の実施状況が記録されています。本報告書では成長と貧困削減という世界銀行グループの戦略的優先事項を引き続き重視しながら、公正とガバナンスについてもより掘り下げています。この期間に進歩があったことは認めていますが、公正やガバナンスといった分野が今後課題になるとしています。ケニア繁栄のためのガバナンス戦略(GSPK)およびガバナンス行動計画(GAP:2007年1月)を支援するための世銀の重点分野としては、透明性促進イニシアティブ、港湾などのインフラ・サービスへの民間参入を含めた幅広い関係者の関与、財政運営改革の加速、教育、HIV/エイズ、保健、道路など優先部門におけるガバナンスの改善が挙げられます。 平井: 日本政府や援助機関との協議において、CAS進捗報告書に対する日本側関係者の反応はどうでしたか?  | 政府関係者と協議を行うブルース局長とレスター・ダリー駐日特別代表代行 |
ブルース局長: 各国および世銀のパフォーマンスを極めて率直かつバランスよく建設的に評価した報告書であるとして歓迎されました。例えば、ケニアが(a)マクロ経済の安定、(b)初等教育や情報通信技術(ICT)などの分野における改革で目覚しい進歩を遂げたことが高く評価されました。また、成長が回復し、景況感が高まっていることも評価されました。民間部門主導の成長と貧困削減(エネルギーや道路などケニアの問題点への対応を含め)を引き続き重視し、公正とガバナンスをこれまでに増して重視していくという点で意見が一致しました。日本側からは、ガバナンス面で重大な課題の残る部門にも世銀が関与を続け、透明性があり予測可能な行動をとるようにしてほしいとの要望がありました。日本側関係者は、世銀には拠出金を不正から守る受託者責任があると認識している一方で、ケニアの公共支出すべてを管理する信託・監視システムを構築する形でその責任を遂行すべきであるとの見解も示しました。特に、ケニア政府の支出のうち、外国開発援助はわずか5%に過ぎないこともその背景にあります。世銀との間で是非ともさらなる協力関係を深めていきたいとする旨が再確認され、官民パートナーシップが必要になる可能性のあるものも含めて、いくつもの機会について話し合いました。 平井:アフリカに対する最大のドナーのひとつであり、来年のG8サミットの議長国である日本には、対アフリカ援助においてどんな役割を担ってほしいと思っていますか? ブルース局長: 日本はアフリカの発展にさまざまな形で貢献することができます。アフリカ開発会議(TICAD)は、アフリカへの注目を継続させるための格好の機会です。また、日本は、2005年に当時の首相が対アフリカ支援を倍増すると約束しましたが、これを実行することも重要です。ですが、財務支援と同様に重要なのは、日本の民間部門の持つ技術やノウハウであり、アフリカの成長、輸出競争力拡大、雇用創出にプラスに働く可能性を秘めています。私はまた、日本が国際的な貿易交渉の場において、途上国のために市場を開放するよう断固として主張してくれるよう期待しています。  | ケニア大使および大使館スタッフと歓談するブルース局長と世銀東京事務所のスタッフ |
平井:ウォルフォウィッツ世銀総裁はアフリカの開発を最優先事項に掲げ、日本政府とさらに協力関係を深めていくことで合意しています。これまでにどんな進展がありましたか? ブルース局長: 2005年のウォルフォウィッツ総裁来日の後、世銀・IFC・MIGAの東京事務所職員と日本の政府機関、世銀アフリカ地域によるフォローアップ委員会が発足し、アフリカでさらなる協力や協調融資を必要とする国、プロジェクト、イニシアティブを具体的に絞り込むため話し合いが続けられています。中でもインフラ・プロジェクトが注目されています。これは、日本政府と世銀グループが、成長と貧困削減を促進し、民間部門からの投資の可能性を拡大するために、インフラ・部門への支援を優先させることで一致しているのを受けたものです。この基盤があるので、日本と世銀グループという二大ドナーのパートナーシップの結果として、アフリカにとって目に見える成果が上がるものと確信しています。 英語で読む 世界銀行のアフリカに対する取り組み |