国際開発金融機関の活動は、各国からの出資金や借入金に加え、主要国からの任意拠出金によっても支えられています。日本政府も世界銀行をはじめとする各国際開発金融機関に設立された日本特別基金を通じて資金の拠出を行っており、各機関の活動を側面から支援すると共に、日本の二国間援助との連携強化を図っています。
2010年度、PHRD基金は以下のような活動に活用されました。
- 新PHRD TAプログラムの政策文書が2009年5月に日本政府によって承認されました。
- 支援対象国の選定とアフリカの農業のためのプログラム開発に関して、各国のステークホルダーとの協議が行われました。
- 太平洋災害リスク・ファイナンシング・イニシアティブのために、15件の国別リスク・プロファイルが作成され、2011年1月に資金提供が行われました。
- JJ/WBGSPの下、362人の奨学生に新たに奨学金が提供されました。奨学生の47%はアフリカの出身で、47%は女性でした。
- 日本政府は、プログラム史上最多となる31の職種に対し700万ドルを承認しました。 PHRD20周年を記念して、英語と日本語で冊子(PHRDパンフレット)が作成され、広く配布されました。
技術協力(TA)プログラム :
以前は、国際復興開発銀行(IBRD)の貸出および国際開発協会(IDA)の融資・贈与によるプロジェクトの準備・実施を支援するグラントや、気候変動関連などの支援に焦点が当てられていました。2009年度にTAプログラムのこうしたコンポーネントは廃止されましたが、2010年7月時点で約125件のグラントが引き続き実施中です。
2010年度承認額
IBRD/IDAプロジェクト準備のための技術協力…4,010万ドル
組織 のキャパシティ・ビルディングのための協調融資…670万ドル
進行中のIDAプロジェクトのためのキャパシティ・ビルディング…130万ドル
気候変動関連プロジェクトへの支援 …330万ドル
人材育成およびキャパシティ・ビルディング
日本/世界銀行共同大学院奨学金制度(JJ/WBGSP):加盟国の国籍を有する人材を対象に、大学院修士課程教育を受けるための奨学金を提供します。日本が支援して他の国際開発金融機関が管理する同様の奨学金プログラムは他にもありますが、JJ/WBGSPはいずれのプログラムにも先駆けて設置され、はるかに大きな規模を誇っています。日本政府は設立以来2億2078万ドルを本プログラムのために承認し、その96%が2010年度末までに実行されました。
PHRD世界銀行研究所(WBI)能力開発グラント・プログラム
WBIの能力開発活動、特に東・南・中央アジアでの活動を中心に支援します。設置以来、日本政府は4444万ドルを提出しており、その内約90%が2010年度末までに実行されました。
日本/ インドネシア大統領奨学金プログラム(JIPS)
経済、経営、教育、保健、農業、インフラ、環境など開発関連分野での研究を支援するため2008年に設置されました。日本政府はこの新プログラムに対しこれまでに200万ドルを提供し、内43%が実行されています。
日本PHRDスタッフ・長期コンサルタント(ETC)プログラム
世界銀行に採用された日本国籍を有する職員の経費の一部に充てられています。2010年度時点で、このプログラムに対する承認総額は2210万ドルで、うち66%が実行されています。
日本・世界銀行パートナーシップ・プログラム
リサーチ・プログラムやワークショップ、セミナーなど、日本と世銀のパートナーシップを強化する様々な活動を支援します。設置以来日本政府は5470万ドルを承認し、85%が実行されています。
日本社会開発基金( JSDF:Japan Social Development Fund )は2000年6月、日本政府の100億円( およそ9,500万ドル )の拠出により創設されたもので、世銀がその運営に当たっています。JSDFは、途上国の貧困に苦しむ人々、社会的に最も弱い立場におかれている人々のニーズに直接対応し、持続可能な活動へと発展する可能性の高い社会プログラムを通して、これらの人々の能力を強化し、開発プロセスへの参加を促進するためにグラントを提供しています。またJSDFでは準備計画、実施段階でシビルソサエティの参加を奨励しています。
JSDFは、アジアを中心に、世界各地の低中所得国を対象としています。JSDFが拠出する案件は、途上国政府の貧困削減戦略(PRSP)および世銀の国別援助戦略(CAS)との整合性があること、準備中の世銀案件のパイロット事業または、進行中の世銀案件の補足事業としての性格を持つことが求められます。また、社会開発という課題にこれまでにない革新的なアプローチを採用したもの、地域団体との協議の後進められる“需要牽引型(demand driven)”のプロポーザル、さらには、社会開発活動を効果的に実施できる現地NGOや国際NGOなどのシビルソサエティと多くの面で協力することを意図したものを優先的に検討しています。
- JSDF年次報告 日本語|英語
- JSDFパンフレット
日本語|英語 - JSDFアフガニスタン特別支援パンフレット
日本語| 英語 - 「日本信託基金グラントの手続きと実行」
日本語|英語 - 数字で見るJSDF 英語
- JSDF対象国 英語
- JSDFの対象となる活動 英語
- これまでに承認されたプロジェクト 英語
- よくある質問と回答 英語
- 外部機関によるJSDF評価調査(2007年度) 英語
JSDFを通じたシビルソサエティとの連携
JSDFプロポーザルの作成・提出は、タスクチーム・リーダー(TTL: Task Team Leader、プロジェクトやプログラムを担当する世銀職員のこと。かつてはタスクマネージャーとも呼ぶ)が行います。したがって、JSDF案件への参画にご関心をお持ちのシビルソサエティ団体の皆様は、世銀側でのカウンターパートとなるタスクチーム・リーダーを確定していただくことが何よりもまず、重要です。
タスクマネージャーを探すには、主に以下の3つの方法が考えられます。
その際、JSDFでどのようなプロジェクトを構想しているのかのアイデアを簡潔に(1ページ程度の英文)でまとめて、あわせて送付いただくことも可能です。現地訪問の際に世銀の各国事務所を訪問する、皆様の活動や現地事務所の現地でのプレゼンスを強化することもきわめて大切です。
なお、世銀が拠出中・拠出予定のプロジェクトとの関連性が全くない場合などは、世銀として対応しかねることもありえますので、あらかじめご了承ください。JSDFの要件や拠出できない活動については、こちらをご覧ください。
各国で世銀が拠出中・拠出予定のプロジェクト一覧、世銀の取り組み(CAS:国別支援戦略)などは、各国における世銀の取り組みをご参照ください。
JSDFの世銀内部での締切は、年3ラウンドがあります。タスクチーム・リーダーは、世銀本部に拠点を置いている場合と、各国事務所に駐在している場合があります。JSDFの詳細はこちらを覧ください。