成長に向かうアフリカ

成長に向かうアフリカ

Fact Sheet

サブサハラ・アフリカの成長

サブサハラ・アフリカは順調な経済成長をみせている

アフリカのサブサハラとは、サハラ砂漠以南の地域の48カ国を指し、約7億4400万人が暮らしている。1990年代には、サブサハラの人口の44%が1日あたり1ドル未満での生活という貧困状態にあった。しかし、サブサハラはここ10年近く成長傾向にあり、経済成長が貧困削減へとつながっている。

2005年、2006年と2年連続で平均経済成長率は5.4%を記録し、2007年は5.3%、2008年は5.4%と予測されている。国によって成長の度合いは異なるものの、過去10年間にわたり、4.5%を超える年間成長を遂げている国は16カ国に上る。最も急成長を遂げているアフリカ非産油国のグループは、アフリカの全人口の36%を占め、平均成長率は5.5%に上る。

このようなペースで成長を続けた場合、世界銀行では、2015年にはサブサハラ全体の貧困率は、38.1%まで低下すると予測している。


アフリカへの投資の増大

上記のグラフが示すように、2000年から2005年までの間、海外からアフリカへの直接投資が0.6%から2.6%に増大している。こうした直接投資の増大の背景には、世界銀行が掲げたアフリカ貧困削減戦略の2つの柱「投資環境の向上」「貧しい人々のエンパワーメント」への取り組みがある。具体的には、貿易の促進、インフラ格差の解消、マラリア対策、ビジネス環境改革(ビジネスを妨げる規制の簡略化)、初等教育就学率の上昇、ガバナンスの向上(公共財政管理、行政改革、透明性改善、汚職リスクの最小化)、紛争解決による平和構築のための活動が成果を挙げたことによるものである。

投資環境のリフォームについて

世界銀行の取り組みによって挙げた成果のなかでも、最も顕著なものはビジネス環境の改革である。例えば、2007年9月に発表された、「ビジネス環境の現状2008」において、ガーナとケニアがビジネス環境改革度で世界のトップ10位にランクインした。

2年連続で改革の進んだ国上位10カ国にランクインしたガーナは、公共サービスの効率化を進めている。不動産登記の障害を撤廃して手続きの遅れを6カ月から1カ月に短縮したのをはじめ、事業登記所および環境当局の業務が効率化され、起業までの所要日数が42日に短縮された。また、港湾局の業務内容が変更された結果、輸入がスピードアップし、さらに、民事訴訟の規則や強制仲裁・調停が新しくなり、契約履行までの所要時間が短縮された。

アフリカでもう1カ国10位にランクインしたケニアは、思い切った免許改革プログラムに着手し、これまでに110件の事業免許が撤廃になり、ほかに8件が簡略化された。その結果、起業が効率的になり、建築許可取得の時間とコストが削減された。同プログラムは最終的にこの国の1300件の免許のうち少なくとも900以上を撤廃あるいは簡略化する予定でいる。また、不動産鑑定士の間に競争を導入したおかげで、不動産登記までの所要時間も短縮された。さらに、民間向け信用機関は現在、より幅広いデータを収集するようになっている。

アフリカへの直接投資の推移

1990年代に新しい投資家が登場

1980年代から2000年頃まで、フランス、イギリス、アメリカがサブサハラ地域向けFDIの70%を占めていた。2003年時点においても、FDIストックでイギリスが300億ドル、アメリカが190億ドル、フランスが115億ドル、ドイツが55億ドルと欧米中心であることに変わりはない。しかし、1990年頃から、アジアの新興国を中心に新たな投資家も現れはじめた。その割合はまだ小さいが、中小企業の企業進出を中心に、目立った伸びを見せている。また、南アフリカの企業などが国際企業となって、他のアフリカ国に投資する案件も増えている。(Data: World Bank, United Nations)

アジア地域の対アフリカFDI

アジア地域では、シンガポール、インド、マレーシアが主要な投資家となっている(2004年までの累計FDIストックがそれぞれ35億ドル、19億ドル、19億ドル)。これに、中国、韓国、台湾が続いている。特に近年は中国からのFDIが増加している。(Data:United Nations)

日本の対アフリカFDI

日本の対アフリカFDIの規模は、他地域へのFDIと比較して圧倒的に小さい。2004年度は13件、124億円。在アフリカの日本企業は299件である。


財務省発表 国別・地域別対外直接投資実績

投資対象の多様化

アフリカへのFDIは、おもに天然資源の開発事業に向けられているが、近年は投資対象の多様化もみられる。傾向として、先進国からの投資は化学、食品加工、金融業など高付加価値型の産業、アジア地域の投資は労働集約型の生産加工に向けられている。どちらも輸出志向であり、その点においては好調である。特にブルキナ・ファソ、ガーナ、マダガスカル、モザンビーク、タンザニア、ウガンダの投資先としての満足度は高く、将来性があるとされている。

世界銀行のアフリカ支援

アフリカは世界銀行の最優先開発課題である。2007年現在、世界銀行グループのうち、最貧国向けの援助機関である国際開発協会(IDA)が支援する世界80カ国の最貧国のうち39カ国はアフリカ諸国である。また、年間平均100億ドルの融資・贈与額の半分がアフリカへの支援となっている。

2007年度(2007年6月30日までの1年間)で、IDAからサブサハラ・アフリカに対しては、前年度を10億ドル上回る、過去最高の58億ドルが承認された。

アフリカにおける世銀グループの目標は、官民の開発資金を動員して年間成長率を7%まで引き上げ、各国と協力して経済成長も恩恵が広く共有されることである。貧困削減に配慮した経済成長を促進するという全体目標の下、世銀グループはアフリカ行動計画(AAP)を打ち出し、8つの重要な優先分野を特定している。

アフリカ行動計画(AAP)で示された8つの重要プロジェクト
  • アフリカの民間セクターの強化
  • 女性への経済的エンパワーメントの拡大
  • グローバル経済で競争力をつけるための能力形成
  • 農業生産性の向上
  • クリーン・エネルギーへのアクセスと信頼性の向上
  • 道路網および交通回廊の拡大と整備
  • 上下水道へのアクセスの拡大
  • 全国的な保健システムの強化ならびにマラリアおよびHIV/エイズの予防と治療

アフリカの優先課題に取り組むことにより、世界銀行グループは、拡大しながら急速に変化しつつある世界経済の中でアフリカが自らの地位を確保するのを支援している。




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