| コンタクト: ワシントン: Merrell Tuck (202)473-9516 mtuckprimdahl@worldbank.org Kavita Watsa (202)-458-8810 kwatsa@worldbank.org TV/Broadcast: Cynthia Case (202)-473-6287 ccase@worldbank.org 東京: 平井智子 (81-3) 3597-6650 thirai@worldbank.org ワシントン、2009年3月31日 — 世界銀行は本日、途上国のGDP成長率が2008年の5.8%から2009年には2.1%に低下するとの見通しを発表した。これは、世界的な金融・経済状況の急激な悪化を受け、2008年11月に発表した2009年の途上国成長率見通しの4.4% を約半分以下に下方修正したものである。 本日発表された「世界経済見通し」の改定値では、本年の世界全体の成長率はマイナス1.7%と、第二次世界大戦以来初めて世界経済が縮小するとしている。GDPはOECD諸国で3%、他の高所得国で2%縮小する見込みである。 世界銀行のベースライン予測では、金融危機に伴う金融セクターの整理統合、逆資産効果及びこれらの波及効果によって経済活動が落ち込む中、2010年には景気がかろうじて底を打つと予測している。ただし、回復のペースとタイミングは極めて不透明のままだ。 「途上地域全体で景気後退が最貧層に打撃を与え、そうした人々の生活を突然の衝撃に対して更に脆弱なものにするばかりか、機会を奪い、希望をくじくことになろう」と、世界銀行チーフ・エコノミスト兼上級副総裁のジャスティン・リンは述べている。「これにより長年の歩みが逆戻りしかねず、開発にとっての非常事態以外の何ものでもない」 今回の改訂見通しにおいて、世銀は、景気が徐々に反転するとしても、失業問題と深刻なセクター別調整が長引くため、今後2年間の経済活動は低迷を続けると強調している。 「世界経済の伸びが2010年に再びプラスに転じるとしても、実質的にすべての国において2011年に入っても生産は低迷を続け、財政はさらに逼迫し、失業率はさらに悪化を続けるだろう」と、世界銀行開発見通しグループでグローバルトレンドを担当するハンス・ティマーは解説している。 世界の財・サービスの貿易は2009年、マイナス6.1%という歴史的な下げ幅を記録する見通しである。バレル当たり47ドルという2009年の原油価格見通しは、2008年の水準を50%以上下回るものである。原油以外の一次産品価格も、2008年を約30%下回る見通しである。 途上国の財政収支は、歳入の減少、借入コストの上昇、社会的セーフティネット維持のための多額の移転支出により、大きく悪化する見通しである。特にヨーロッパ及び中央アジアの途上国では貿易と生産の落ち込みが激しく、民間セクターが極めて脆弱で、社会的セーフティネットの普及率が高いため、財政問題が強く懸念される。 途上国による海外からの資金調達ニーズは、経常収支赤字と、民間債務の元本返済などで、2009年は1兆3000億ドルに上る可能性が高い。資本流入が減少するため、途上国の資金不足は2700-7000億ドルに上ると見られる。資金不足が最も深刻な地域は、ヨーロッパ・中央アジア、ラテンアメリカ及びサブサハラ・アフリカである。 世界のGDPは2010年には2.3%という小幅な伸びとなろうが、万一途上国の中で国際収支の危機が発生すれば、それを封じ込めることは困難で、世界規模の回復を遅らせることになるであろう。もうひとつのリスクは、金融セクターの問題が長引くため、信用市場の回復が緩慢となることだ。そうなれば実体経済での生産調整の期間が長引き、世界規模での景気後退が長期化するだろう。
地域別の成長見通しヨーロッパ・中央アジア地域は、今回の危機の影響を最も深刻に被っている。同地域のGDPは2009年に2%のマイナスと予測される(2008年は4.2%のプラス)。これは、世銀の11月時点での見通しから4.8%ポイントという途上地域で最大の下方修正である。 ラテンアメリカ・カリブ海地域の2009年のGDPも、国別の状況は様々であろうが、全体としてはマイナス成長となる可能性が高い。即ちGDPはマイナス0.6%と見られる(2008年は4.3%のプラス)。 東アジア・大洋州地域は、世界的な投資・貿易額の下落による影響を最も大きく受ける可能性が高い。すでに工業生産と設備投資は大幅に縮小している。中国の成長が6.5%に減速し、タイをはじめとする域内の数カ国で景気後退に陥るため、2009年の同地域のGDPは5.3%の伸びにとどまる見通しである。 南アジア地域の2009年のGDP伸び率は前回の見通しの5.4%から3.7%に下方修正されている(2008年実績は5.6%)。交易条件は原油価格の下落により改善しているものの、輸出需要の著しい減少が影響している。 中東・北アフリカ地域の成長は、途上地域の中では影響が一番少なく、前回の見通しをわずか0.3%下方修正した3.3%となっている。原油収入の減少および減産のため、石油輸出国のGDPは2.9%にとどまるだろう(2008年は4.5%)。 サブサハラ・アフリカ地域の2009年GDP成長率は、前回の見通しより1.8%下方修正され、2008年の4.9%から2.4%へ半減すると見られる。一次産品価格の乱高下も域内各国に大きく影響するだろう。 |