課題
現在、3200万人以上のインドネシア国民が貧困ライン以下の暮らしにあえいでおり、全体で約半数の世帯が今も、国の貧困ライン前後にひしめいています。雇用拡大は人口増加に追いついておらず、公共サービスも中所得国の基準に照らすと今もまだ不十分です。また、保健やインフラ関連の指標も低いため、ミレニアム開発目標(MDGs)もそのいくつかは達成が危ぶまれています。
アプローチ
2004年以降、インドネシアに対するIBRDの支援は、政府が定義・主導する政策アジェンダの重要な部分を占めるまでになっています。現在、IDA/IBRDの対インドネシア貸し出しポートフォリオは32件の進行中のプロジェクトで構成され、道路、エネルギー、教育、保健、灌漑、農村開発など様々なセクターに総額59億8000万ドルの拠出が誓約されています。またこれとは別に、世銀は津波被害を受けたアチェ/ニアスのためのマルチドナー基金(MDF)とジャワ復興基金の資金を受けた11件のプロジェクトも監督しています。
IBRDの資金による2件のコミュニティ主導開発プログラム(ケカマタン開発プロジェクトと都市貧困プログラム)は、小規模インフラと貧困コミュニティを対象とする基本サービスを提供してきました。これらのプログラムの下で、学校や保健センター施設、上下水道、道路、橋が建設され、市場や電力システムが構築され、雇用創出、キャパシティ・ビルディング、現地ガバナンスの強化が実現しています。
2004年以降、IBRDは総額19億ドルの開発政策融資(DPL)を実行してきました。これらのDPLは、マクロ経済の安定、投資環境、サービス提供、公共財政管理などの分野におけるインドネシア政府の政策改革に予算支援と技術支援を提供するための有効な手段であることが裏付けられています。また、安定した低金利の融資を提供し、インドネシアの主たる開発パートナー(IBRD、アジア開発銀行、日本)の間で援助の調整を行いました。
結果
IBRDの援助は、マクロ経済の安定をもたらし、インドネシアが多くの財政目標を達成することを可能にしました。財政赤字が対GDP比で2.2%まで改善(1998年は4.4%)し、燃料補助金の大幅削減と補助金全体への支出削減により、社会的保護プログラムに使える資金が年間100億ドル増えました。
またIBRDは、政府が特に貧困層向け基本サービスの品質を改善し、対象範囲を拡大してより効果的に活用するのを支援しました。例えば、IBRDの資金を受けた3件の地域保健プロジェクトを通じ、熟練した保健従事者の介護を受けた出産の割合が、1995年の37%から2007年には72%に増加し、はしかの予防接種率 が1995年の63%から2007年は72%に改善しました。また、約3万8000 の村落と都市で、基幹インフラや上下水道施設へのアクセスが高まりました。
IBRDは、投資家をより支援するビジネス環境を構築しました。2007年の中小企業向け融資は融資総額の52%を占めました(2003年は47%)。さらに、起業のための所要日数が2003年の168日から2009年には60日に短縮されました。
IBRDは、津波被害を受けたアチェとニアスのためのマルチドナー基金(MDF)を支援する15のドナーから7億ドル以上の拠出誓約をとりつけ、4,400軒の住宅新築、4,050軒の中古住宅の修復、43のコミュニティ医療施設建設、282の学校の建設/修復などに充てました。
将来に向けて
政公共機関の有効性と説明責任を高めれば、インドネシアが使うことのできる資源をさらに大きな開発成果に結びつけることが可能です。公共財提供のための制度としての能力を強化する一方で民間投資を拡大すれば、持続可能で貧困層に配慮した成長の循環を作り上げることができるでしょう。世界銀行グループは今後も、農業、行政事務、気候変動、エネルギー、都市開発、保健、教育、公共財政管理、災害リスク軽減、上下水道、道路、サービスの地方分権など、経済・社会両面で、様々なセクターを対象にインドネシアを支援していきます 。



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