ラテンアメリカ・カリブ海地域と社会保護

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ラテンアメリカ・カリブ海地域と社会保護
条件付現金給付(CCT)プログラムと人材資源の改善

概要

国際復興開発銀行(IBRD)は、10年以上もの間、ラテンアメリカ・カリブ海地域の国々が貧困削減のアプローチとして条件付現金給付(CCT)プログラムを実施するにあたり、重要な役割を果たしてきました。同地域では、現金給付により子供たちを学校に通わせ、家庭に適切なヘルスケアを提供することによって2100万人の家族、9300万人の人々を支援しています。

課題

貧困と不平等は経済成長にとって深刻な課題であり、同じ家族間で世代から世代へと引き継がれる傾向にあります。貧困層および脆弱層は、現在の福利および貧困からの脱出に影響を及ぼす様々な危険性にさらされています。

このような課題に対処するため、各国は危機の真っ只中においては脆弱層が貧困に陥ることを防ぎ、それ以外の場合では貧困から抜け出すために必要な社会セーフティネットを構築することが必要となります。セーフティネットは、ショックに弱い貧困層や脆弱層向けの無拠出制の譲渡プログラムです。CCTプログラムは、もともとラテンアメリカで考案されたもので、教育やヘルスケアサービスの提供など、子供達の現在または未来の福利に貢献するという条件のもとに貧困家庭に現金が給付されるセーフティネットです。

ラテンアメリカ・カリブ海地域の各国政府はCCTプログラムを貧困対策のための社会保護手段として取り入れています。このプログラムは、情報の欠乏など需要サイドの障害となるものをとり挙げ、克服することで基本サービスの効率性を改善することができるのです。



アプローチ

IBRDは、技術面および資金面において1990年代後半に始まった最初のプログラムからCCTを支えてきました。IBRDは、政策協議、調査および投資目的の融資に関与し、途上国間の情報交換を支援してきました。また、情報システムの管理に加え、モニタリングや評価の手法の策定・評価に貢献してきました。さらに近年では、ラテンアメリカ・カリブ海地域のCCTプログラムのコミュニティが作られました。

2005-2009年度にはIBRDはCCTのポートフォリオを拡充させ、ラテンアメリカ・カリブ海地域を中心に10カ国で16プロジェクトを承認しました。最近では同プログラムは東アジアや東ヨーロッパにも広がっています。IBRDはメキシコのOportunidadesプログラムにIBRDのセーフティネット融資の40%にあたる15億ドル以上を承認しました。2009年度にはCCTプログラムは世界金融危機の影響から脆弱層を守るために拡大されました。

CCTプログラムは、ジェンダー問題への取り組み、基金の移動、社会的アカウンタビリティの推進、詐欺行為の取り締まり、ガバナンスの強化や貧困層向けのアプローチなど新しい手法を実施してきました。また、支払いに銀行カードを使用したり、携帯電話を利用して教育のメッセージを伝達するなど新しい技術を取り入れています。CCTプログラムは、社会サービスとクライアントを関連付け、社会的に疎外された人々の身分証明書の獲得やCCT受給者の預金奨励を行ってきました。



結果

これまでラテンアメリカ・カリブ海地域では17カ国がCCTプログラムを導入してきました。CCTプログラムは、過去10年間にラテンアメリカ・カリブ海地域において年間約2100万世帯、およそ9300万人の人々を支援してきました。CCTの中でも最大のものはブラジルおよびメキシコで実施されており、それぞれ1100万世帯、520万世帯に貢献してきました。コロンビアのプログラム、Familias en Accionは全世帯の20%に、ジャマイカの保健、教育プログラムは全人口の約12%に貢献しています。

CCTプログラムによりメキシコ、コロンビア、ジャマイカおよびブラジルの受益者の貧困率は減少しています。チリのSolidarioプログラムの2006年の評価は、農村地帯の受益者の貧困率は18%、極度の貧困率は35%減少したことを表しています。

CCTによりすべての世帯を貧困から脱出させることができなくても、受益者世帯の状況は改善しています。例えば、CCTは一人当たりの消費率を(ブラジルは7%、メキシコは8%、コロンビアは10%)増加させました。さらに受益者世帯はより栄養価の高い食べ物を摂取できるようになり、健康状態および栄養摂取の改善を達成することができました。

もともとワクチン接種率の低いニカラグアやホンデュラスなど数カ国では、ワクチンの接種率の向上が見られますが、メキシコなどもともと接種率の高い国々では改善が見られません。ヘルスセンター訪問率の変化は著しく、ジャマイカでは0-6歳の健診率が38%、コロンビアでは0-2歳健診率が33%増加しました。

地域をとおして、就学率は1-10%ポイント上昇し、高学年により大きな効果を与えています。メキシコのOportinidadesプログラムの受益者世帯の子供のうち38%はより高い教育を受けるようになっています。



未来に向けて

CCTプログラムは、透明性を維持しながら受益者に現金を届けるというオペレーションの課題から他のプログラムとの融合および受益者の貧困からの脱却という課題に移行しつつあります。プログラムをより効果的なものにするため、プロジェクトの実施、拡大、発展、さらには成功例の人材育成ツールの開発が必要です。IBRDにより恩恵を受けている国々の教訓は、IDAから支援を受けている低所得国にもCCTを拡大することです。

IBRDは、CCTプログラムが受益国のニーズに確実に対応し、発展を続けるために融資や技術の提供を続けていきます。



パートナー

IBRDはメキシコの社会開発事務局、コロンビアの社会保護省、ブラジルの社会開発・飢餓の撲滅省など、各国の政府機関と協力してCCTプログラム支援の融資と技術協力を行っています。

 



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