2011年12月21日、東京-世界銀行は、9月の世銀・IMF総会において「世界開発報告(WDR)2012」を発表しました。報告書では、ジェンダーの平等を取り上げ、女性や女児のために、機会と環境と整えることは重要であるだけでなく、経済合理性があると指摘しています。この度、本報告書の制作チームの共同局長であるスディール・シェティをはじめとするWDR担当チームが来日し、世界銀行東京開発ラーニングセンター(TDLC)において、世界銀行世界銀行パブリックセミナー「世界開発報告2012:ジェンダーの平等と開発」を開催しました。  | スディール・シェティ世界銀行WDR2012担当共同局長 |
|  | ルイス・ベンヴェニステ世界銀行東アジア・大洋州地域局教育セクターマネージャー |
|
セミナーでは、谷口和繫・世界銀行駐日特別代表による開会挨拶に続いて、シェティWDR2012担当共同局長 と3名の担当官がジェンダーの平等がどのように開発に貢献できるか、報告書で取り上げられている課題について、東アジアの例も交えて説明しました。世界的な傾向として、女性の就学率が向上し、過去30年間に新に5億人以上の女性が労働力に加わるなど、教育、労働市場等における男女格差の縮小は大きな進展を見せました。一方で、多くの女性たちが、今も経済的機会や収入面で不利な立場に置かれています。男女格差の背景には、労働市場に関する情報アクセスが女性は男性に比べ限られていることや、家庭と社会における女性の発言力が弱いことのほか、社会的認識等、様々な理由があります。とくに、多くの国で「女性は優れたリーダーになることはできない」、「育児は女性の仕事」「女性にふさわしい仕事がある」といった、共通する社会通念が根強く残っていることが指摘されました。  | アナ・マリア・ムノズ世界銀行ジェンダースペシャリスト |
|  | アンドリュー・メイソン 世界銀行東アジア大洋州地域WDR2012担当 |
|
そのほか、新たな課題として、1.グローバル化、2.インフォメーション・テクノロジーの進歩、3.移住、4.急速な都市化、5.人口増加といった問題が、女性に及ぼす影響も検討していく必要があることが指摘されました。こうしたことを踏まえ、報告書は、1.男女格差の人的資源の問題、2.男女の収入・生産性格差、3.家庭内と社会における女性の発言権、4.グローバル化等の新たな課題と世代を超えて引き継がれる男女格差への対応、の4分野について、行動を起こすことを提言しています。  | 大崎麻子 ジェンダー・アクション・プラットフォーム アドボカシー担当 |
|  | 会場の様子 |
|
また、WDR担当官による報告に続いて、ジェンダー・アクション・プラットフォーム アドボカシー担当の大崎麻子さんより、ドナー国、日本に対して、1.人権としてのジェンダー平等、経済合理性、生産性と開発効率性の向上要因としてジェンダー平等を捉えることの必要性、2.政策転換の必要性を訴えました。 質疑応答では、多くの参加者から、啓発と社会的認識の向上に関する質問が寄せられました。とくに日本において、文化の壁をどうしたら乗り越えられるのか、といった質問に対して、報告者が、文化や社会認識は短期間で変わり得ること、公共政策が果たす役割が重要であることを他国の例から紹介し、そのためにも報告書が指摘している男女格差縮小の経済合理性のメッセージを広く活用してほしいことを改めて訴えました。 報告者スディール・シェティ世界銀行WDR2012担当共同局長 ルイス・ベンヴェニステ世界銀行東アジア・大洋州地域局教育セクターマネージャー アナ・マリア・ムノズ世界銀行ジェンダースペシャリスト アンドリュー・メイソン 世界銀行東アジア大洋州地域WDR2012担当
コメンテーター大崎麻子 ジェンダー・アクション・プラットフォーム アドボカシー担当
|