最貧困人口は減少傾向にあるが依然として脆弱、と世界銀行

Series #:2012/297/DEC

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ワシントン、2012年2月29日 –世界銀行が本日発表した2005年から2008年にかけての最貧困モニタリング調査によると、全地域の途上国において、1日1.25ドル未満の生活という最貧困の人口は、総人口比でも絶対数でも減少した、と報告されている。全地域で減少が見られたのは、世銀が最貧困モニタリングを始めて以来、初めてである。

2008年に1日1.25ドル未満で暮らす貧困層は、途上国の人口の22%に相当する12億9000万人と推定され、1981年の19億4000万人から大きく減少した。同報告書は、130近くにのぼる国の850以上の世帯調査を元にしている。世界の最貧困層についての最新のデータは2008年が最新である。中所得国についてはそれ以降の統計値もあるが、最貧困国の最近のデータはほとんどないか、以前の推定値と比較できない。

2008年以降を対象とした最新の分析は、過去4年間の食糧、燃料、金融の3つの危機が脆弱層に深刻な影響を与え貧困削減の歩みが鈍化した国はあったものの、世界全体では貧困の減少が続いているとしている。同報告書よりもサンプル数は少ないが、2010年の予備調査では、1日1.25ドル未満で暮らす貧困層の割合は2010年までに1990年の半分以下に減っている。つまり、最貧困者数を1990年の水準から2015年までに半減するというミレニアム開発目標の目標1は、目標年を待たずして達成されたことになる。

「途上国全体で見ると最貧困との闘いに目覚しい進歩が見られるが、貧困ラインを上回った6億6300万人は大半が最貧国基準(1日1.25ドル)を上回ったに過ぎず、中所得国や高所得国の基準(1日2ドル)に照らすと今なお貧しい。このように大量の人が最貧困ラインをわずかに上回ったという事実自体が、世界で膨大な数の人々が脆弱な状態にあることを示している。さらに、進歩が現在のペースだと、2015年に約10億人がなおも最貧困状態に留まることになる」と、世界銀行の開発研究グループ局長で今回の数値の割り出しに当ったチームのリーダー、マーティン・ラバリオンは述べている。

1.25ドルという貧困ラインは、世界の最貧国10~20か国の平均である。1日2ドル未満(途上国の中央値)で暮らす貧困層では、1日1.25ドル未満ほどの進歩は見られない。実際、1日2ドル未満で暮らす人の数は、1981年から2008年にかけて、(1999年以降の減少の方が大きいが)25億9000万人から24億7000万人へとわずかに減少したに過ぎない。

「途上国で、1.25ドル未満で暮らす人が22%、2ドル未満が43%もいるという事実は看過できない。さらなる努力が必要だ。政策とプログラムの面では、より良い雇用創出の促進、教育・保健サービスの拡充、基幹インフラの整備、脆弱層保護など、多くの分野で貧困との戦いを続けていく必要がある」と、世界銀行のジェイミー・サーヴィドラ貧困削減・平等グループ局長は述べている。測定の面では、各国、特に低所得国がもっとデータ収集を進め、統計能力を強化する必要がある。

同報告書の最新推定値の割り出しで使われたデータは、ウェブ上のPovcalNetにて一般公開されており、(http://econ.worldbank.org/povcalnet.)2008年よりさらに新しい推定値も入手可能である。

「PovcalNetは、貧困と格差の測定のための世銀のインタラクティブなオープン・データ・ツールである。PovcalNetによりデータへのアクセスが可能となり、世銀の推定値の引用、貧困ラインや国別の貧困率の計算が可能となる」と、世界銀行のシャオフア・チェン開発研究グループ上級統計専門家は述べている。

世銀の計算は、消費と収入に、国内のインフレ率と各国間の購買力の違いを調整している。

地域別概要

東アジア・大洋州地域: 2008年、1日1.25ドル未満の人口は総人口の約14%(同地域は1981年は77%で世界一貧困率の高い地域であった)。中国では、2008年に1日1.25ドル未満の人口は総人口の13%に相当する1億7300万人であった。東アジアは約10年前にミレニアム開発目標の目標1を達成。

中国を除く途上国: 2008年、最貧困人口は25%(1981年は41%)であったが、その絶対数は2008年も1981年とほぼ同じ約11億人であった(1980年代と1990年代に上昇し、1999年以降減少中)。

南アジア地域: 1日1.25ドル未満の貧困層の割合は1981年の61%から2005年は39%に低下し、2005年から2008年にかけて更に3%ポイント低下。現在、最貧困人口の割合は、1981年以降で最低の水準。

ラテンアメリカ・カリブ海地域: 1日1.25ドル未満で暮らす人口の割合はピークだった1984年の14%から、2008年はこれまでで最低の6.5%まで低下。貧困層の絶対数は2002年まで増加した後、大きく減少中。

中東・北アフリカ地域: 2008年に1日1.25ドル未満の人口の割合は、地域の総人口の2.7%に相当する860万人(2005年は1050万人、1981年は1650万人)。

東ヨーロッパ・中央アジア地域:現在1日1.25ドル未満の割合は、0.5%未満(ピークであった1999年は3.8%)。1日2ドル未満で暮らす人の割合は、ピークであった1999年の12%から2008年は2.2%に減少。

サブサハラ・アフリカ地域: 今回の調査で1日1.25ドル未満の人口が1981年の調査以降初めて人口の半数を下回り47%となった(1981年は51%)。1日1.25ドル未満で暮らす貧困層の割合は、1999年以降10%ポイント低下、2008年には2005年より900万人少なかった。


本モニタリング調査の要点、測定手法についての解説、グラフなどをまとめた6ページから成るサマリーはhttp://econ.worldbank.org/PovcalNetよりアクセスできます。

世界銀行の研究リサーチは、http://econ.worldbank.org/researchでご覧いただけます。
世界銀行の貧困削減に向けた地域別・国別取組みは、
http://www.worldbank.o


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