IDAとは?

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最終更新日:2010年11月
IDAとは?

国際開発協会(IDA)は世界銀行のグループ機関で、世界で最も貧しい国々を支援しています。1960年に設立された IDAは、貧困削減に向けて、経済成長促進、不平等是正、生活水準向上のためのプログラムに無利子の融資・グラントを提供しています。

The International Development Association (IDA) is the part of the World Bank that helps the world’s poorest countries.

IDAは、世界銀行の機関で、中所得国を対象に融資や助言サービスを行う国際復興開発銀行(IBRD)の活動を補完しています。IBRDとIDAは、職員、本部共に共通で、同一の厳格な基準を用いてプロジェクトを評価しています。

IDAは世界有数の大規模援助機関として、世界中の79の最貧国(うち39カ国はアフリカ諸国)を支援しています。最貧国の基本的な社会サービスを支援するドナー基金として単独では最大規模を誇ります。

IDAは資金を譲許的条件にて融資(クレジットと呼ぶ)します。IDAクレジットには利子が発生せず、返済期間は35年から40年(10年間の支払猶予期間を含む)と長期にわたります。IDAはまた、債務負担にあえぐ国々への贈与も行っています。

創設以来、IDAの融資と贈与は合計2220億ドルに上り、最近では年間平均130億ドルで、アフリカに対するものが一番多くを占めています(約50%)。

日本と世界銀行による協力」の動画はこちらから

IDA借入国

IDA支援の適格国であるかどうかは、何よりもまずその国の相対的貧困度によって決まり、一人当たりGNI(国民総所得)が毎年新たに定められる上限(2011年度は1165ドル)を超えていないことが条件となります。

IDAはまた、小島嶼国など、上記の上限を超えてはいるもののIBRDからの融資を受けられるだけの信用度に欠ける一部の国も支援しています。

インドやパキスタンなどの国々は、一人当たり国民所得ではIDA融資適格国に入るものの、IBRDからいくらかの融資を受けるだけの信用力があります。こうした国々は「ブレンド」国と呼ばれています。

2007年6月現在、IDA融資の適格国は79カ国に上ります。こうした国々の人口は総計で25億人と、途上世界の全人口の半分を占めます。このうち推定15億人が一日2ドル未満で暮らしています。

2010年度のIDA借入国上位10カ国* (単位:100万ドル)
インド 2,578
ベトナム 1,429
タンザニア 943
エチオピア 890
ナイジェリア 890
バングラデシュ 828
ケニア 614
ウガンダ 480
コンゴ民主共和国 460
ガーナ 433

IDA新規融資の地域別割合

サブサハラ・アフリカ...........49%
南アジア..............................32%
東アジア・大洋州................11%
ヨーロッパ・中央アジア ........4%
ラテンアメリカ・カリブ海 .......2%
中東・北アフリカ ...................1%

IDA新規融資の
セクター別割合

インフラ...............................37%
行政・司法..........................18%
社会セクター......................29%
農業 ....................................8%
工業......................................2%
金融......................................5% New IDA Lending by Region

IDA融資

IDA融資の返済期間は20年、35年、40年で、元本の返済開始前に10年間の支払猶予期間が設けられています。IDA資金は所得レベルや、その国の経済および進行中のIDAプロジェクトの管理状況によって借入国に配分されます。ほぼすべてのIDA融資において利子はつきませんが、融資には小額のサービス料が課せられます(現在は実行額の0.75%)。IDAはまた、債務負担にあえぐ国々への贈与も行っています。 IDA融資の現在の条件

2010年度(2010年6月30日までの1年間)のIDA誓約額は1これまでで最高の145億ドルに上りました。これら拠出誓約額のうち、18%は無償ベースとして供与されました。2010年度の新規拠出誓約額は190件の新しいプロジェクトを対象としたものでした。1960年以降、IDAは108カ国に対し、2220億ドルを拠出してきました。年間拠出誓約額は着実に増え、過去3年間の平均は約130億ドルに上りました。

融資は初等教育、基本的保健サービス、上下水道、環境保護、ビジネス環境改善、インフラ、制度改革などに充てられます。こうしたプロジェクトは経済成長、雇用創出、所得向上、生活水準改善への道を開くものです。 IDAプロジェクトの事例を読む。

IDAは、以下のとおり、幅広い分野での成長を重視しています。
- 健全な経済政策、農村開発、民間企業、持続可能な環境への対応
- 人材、教育、保健(特にHIV/エイズへ、マラリア、結核への取り組み)分野への投資
- 借入国が基本的サービスを提供し、公共資金に関する説明責任を確保する能力の育成
- 内戦、武装闘争、自然災害からの復興
- 貿易・域内統合の促進

IDAは、貧困削減のための政策を知的に設計できる知識基盤の構築を図るため、分析調査を実施しています。また、経済成長の基盤を広げ、貧困層を経済的ショックから守るための方法について各国政府に助言を行います。

IDAはまた、債務返済を管理できない貧困国を救済するため、ドナー援助の調整業務も担当しています。 IDAは、各国の債務負担リスクに基づき、各国の債務の持続可能性確保を支援するためのグラント配分システムを開発しました。

IDAの原資

IBRDがその資金の大半を国際金融市場で調達するのに対し、IDAの資金は主に、より裕福な国々の政府からの拠出金でまかなわれています。そこに、IBRDの利益からの移転や過去のIDA融資に対する借入国からの返済金も加わります。

IDA増資
ドナーは3年に1度IDAの増資について話し合います。IDA第15次増資の場合、ドナーからの拠出金は増資総額273億SDR(416億ドル)の60%を占めます。増資額は、2011年6月30日までの3年間のプロジェクト資金となります。

IDA第15次増資には45か国が参加しました。最も大きな貢献をしたのは英国、米国、日本、ドイツ、フランス、カナダ、イタリア、スペインです。詳しくはIDAドナーとパートナーをご参照ください。

IDA第15次増資では、2008年7月から2011年6月までの3年間に貧困国を支援する資金が調達されます。それぞれのプロジェクトが完了し、測定可能な結果をもたらすのに時間を要するため、この3年間は国連ミレニアム開発目標達成を目指す国々にとって極めて重要な期間となります。

Funding PDFs

Download IconIDAへの出資と拠出 PDF

Download IconIDA第15次増資に占めるドナー拠出金内訳 →リンク

IDAの歴史

世界銀行の名で知られる国際復興開発銀行(IBRD)は、ヨーロッパ各国が第二次世界大戦後の惨状から復興するのを支援するため、1944年に設立されました。ヨーロッパの復興に成功した世界銀行は、その後2、3年の間に、活動の焦点を途上国に向けるようになりました。1950年代までに、最も貧しい途上国が成長に必要な資本を借り入れられるようにするには、世銀の提示するよりも緩やかな条件が必要であることがより明白になりました。

米国のイニシアティブの下、世銀の一部加盟国が、考え得る最も有利な条件で最貧国に貸付を行う機関の設立を決めました。これが「国際開発協会(IDA)」です。創設者たちは、IDAを世界の「富裕国」が「貧困国」を支援するための手段とみなしましたが、その一方でIDAが融資機関としての規律をもって運営されることも望みました。そのため、米国のドワイト・D・アイゼンハワー大統領が、IDAを世界銀行(IBRD)の姉妹機関とすることを提案し、他の国々がこれを受け入れました。

IDAの協定は1960年に発効しました。最初のIDA融資(クレジットと呼ばれる)は、チリ、ホンジュラス、インド、スーダンに対するものが1961年に承認されました。

IDAには現在170カ国が加盟しています。加盟国は、基礎出資と追加出資に当たり、必要書類を提出し、増資手続きの際に義務付けられている支払いを行います。

創設以来、IDAからは35カ国が卒業、つまり借入を終えました。こうした国々の中には、その後IDAからの融資受け入れを再開した国もあります。 IDA卒業国の一覧

 

IDAの取り組み

過去10年間の借入国とドナーによるIDAを通じた活動とその成果。ここから入る。

アルメニアでは、IDAの司法改革プログラムにより、近代的な司法制度の基盤が築かれました。12の裁判所の新築・改築、訴訟管理ソフトの導入、司法研修プログラムの拡充、法律上の権利について認知度を高めるためのテレビ番組などにより、司法制度への信頼度が回復しました。依然としてはびこる不正に取り組むため、後続のプロジェクトが予定されています。
バングラデシュでは、学費補助のおかげで、中等学校に在籍する女子生徒の数が15年間で3倍以上に増えました。IDAは、政府プログラムの大々的な拡充を支援し、透明性が高く革新的な直接融資メカニズムを導入しました。このメカニズムはほかの国にも拡大されています。
ニカラグアでは、IDAの柔軟な支援により、ハリケーン・ミッチの壊滅的打撃からの緊急復興ニーズを満たすために進められている道路プロジェクトの迅速な見直しが可能になりました。この国の主たる輸出ルートであるパンアメリカン・ハイウェイと共に全長3000キロ以上の道路が修復され、農村コミュニティとの往来が再び可能になったことで低迷する経済が活性化されました。
タンザニアでは、民間セクターへの与信が6年間で250%拡大しました。IDAの資金援助により最大の国営貯蓄銀行が民間マイクロファイナンス銀行に変わり、零細・小規模企業が公式な金融システムを利用しやすくなりました。
ベトナムでは、農村部で270万人が電気を利用できるようになりました。IDA資金による農村電化6カ年プロジェクトにより、国内の送電網が拡充されました。IDAは電気セクターへの長期的関与により、ベトナム政府による広範な電化プログラムを支援しています。

もっと読む。 IDAの取り組み-「パートナーシップ-変化に向けて」ビデオ(2分48秒)