援助構造:ODAフローの主な傾向についての概要 – 2007年2月

援助構造:
ODAフローの主な傾向についての概要 – 2007年2月

本論文は、世界的な援助構造におけるIDAの役割についての今後の議論の参考となる背景データおよび分析 を提供するものであり、政府開発援助(ODA)フローにおける幅広い動向、現在の世界的援助構造の複雑化、今後のドナーコミュニティの展望と直面する課題について検証します。

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本章の概要

I. はじめに
本論文では、政府開発援助(ODA)の幅広い動向に注目し、国際的な援助構造における国際開発協会(IDA)の役割、ならびに、各国がミレニアム開発目標を達成するためにIDAがどう支援すべきかについて話し合うための共通基盤を提供しようというものです。調和化計画の実施もまた、ドナー国の代表(「IDA代理」)の検討を必要とする重要な課題となっています。

II. 政府開発援助の傾向の概要
ODAフローの全体的な動向や受領国間でのODAの配分に着目しながら、ODAの主な動向について概説します。最近のODAの増加傾向には、贈与による援助額の増加が見られます。現在、二国間ODAの90%近くが贈与の形をとっており、国際機関もより多くの贈与を利用するようになっています。


サブサハラ・アフリカがODA総額に占める割合は、1960年代の20%強から現在は3分の1以上へと、ほぼ半世紀の間に増加しています。低所得国のセクターに割当て可能なODA全体に占める社会セクターの割合は、1990年代初めの29%から、2000~2004年には52%へと増加しました。 IDA融資適格国の物的インフラに充てられたODAのうち4分の3が、ふたつの二国間ドナー(日本と米国を合わせて42%)とふたつの多国間ドナー(IDAと ECを合わせて32%)によって提供されています。


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III. 援助チャネルの急増
非DAC(開発援助委員会)など「新興」ドナーの重要性が増し、また、援助の急増やODAの分断化など、世界的な援助構造はますます複雑化しています。新しいドナーの登場により、途上国がミレニアム開発目標を達成するためのリソースが増える一方で、特に、援助の量や条件について利用できるデータが限られていることから、調和化や整合性における新たな課題も浮上してきます。

援助チャネルの急増による影響は、ドナーと受領国によってそれぞれ異なる意味合いを持っています。

 -ドナーの観点からすると、 2005年に多国間チャネルを通じて実施された二国間の拠出の約半分は、セクターあるいはテーマ別にある程度使途が指定されていました。使途の指定は、予算管理を複雑にするだけでなく、ドナーと受領国の間の優先事項のずれにつながる場合があります。使途の指定は、リソース配分についての受領国の柔軟性を制限することにより、経済成長および貧困削減にとって同様に重要なほかの投資の不足を助長する可能性があります。

- 受領国の観点からすると、 特定のセクターやテーマを活動の対象としている国際機関や民間ドナーの重要性が増していることもまた、援助構造の複雑化を促進しています。特に、保健セクターの問題が顕著です。増加したODAの効果を上げるために、疾病や診療を特定した医療制度のためのリソースの提供と、保健制度の強化の間で、適切なバランスを見つけなくてはならないからです。

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IV. 政府開発援助の分断化
援助チャネルの急増には援助の分断化が伴い、援助の事業経費が増大する可能性があることから、制度能力の低い受領国におけるODAの効果が損なわれかねません。分断化は、ドナー資金による活動の件数や援助誓約額の規模、また援助手続のモダリティ(手段)としての小規模で独立した技術協力の分散など、さまざまな形で現れています。

本セクションでは、ODA分断化の傾向およびそれにより発生する事業経費、そして「援助効果に関するパリ宣言」に照らしてこれらの問題にどう対応するかについて概説します。分断化は、受領国の制度能力が低いほど進んでいるようです。ODA の事業経費は、ドナーと受領国の両方に影響を及ぼします。受領国の観点からすると、事業経費は、自らへの管理面での負担に、直接または間接的に、関連しています。例えば、タンザニアへの援助の大部分は56の並行実施部門が運営する700を超えるプロジェクトを通じて割り当てられています。この国に提供されたすべての技術協力のうち半数が、タンザニア政府の手配を受けないものでした。タンザニアは2005年にドナー使節団を541組受け入れましたが、うち、複数のドナーが関わっていたのはわずか17%でした。

V. 結び
締めくくりとして、(i) 国、地域、世界の開発における優先課題やプログラムの間で相補性を実現すること、および (ii) 予算支援など、大規模で短期間で実行される可能性のあるODAを有効に利用するため、受領国の能力を強化することなど、今後ドナーコミュニティが直面するであろう主な課題を検証します。「パリ宣言」の原則と目標によって構築された基盤がここで役に立つはずです。

国際的な援助構造のこれまでの変化については、二国間ドナーと主要国際機関の一覧、ならびに長期的なODA 動向および2000~05年の期間のドナー別の二国間・多国間の拠出に関するデータと合わせて、付表に概要を記載しています。

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