質の高い教育へのアクセスを拡大する

2009年9月更新
Afghanistan: Expanding Access to Quality Education

課題

30年に及ぶ衝突と政治不安は、アフガニスタンの教育システムを破壊してしまい、タリバン政権が崩壊した2001年の純就学率は、男子が推定43%、女子が0.3%と、女子をめぐる状況が特に深刻でした。タリバン政権時代には、女子が就学することも、女性が教壇に立つことも禁止されていたのです。さらに、学齢期の子供たちが推定500万人以上いるというのに、教師の数は約2万1000人にすぎませんでした。十分なトレーニングを受けたとは言いがたい教師一人につき生徒が約240人だった計算になります。こうした状況を改善するため、国際社会は2001年、IDA資金によるいくつものイニシアティブに着手しました。ところが、治安の悪化に伴い、特に南部が大変危険な状況となりました。その結果、多くの学校が再び閉鎖を余儀なくされ、達成されたばかりの成果が台無しになってしまいました。

アプローチ

IDAは、アフガニスタンの復興・開発に教育が決定的な役割を果たすと認識し、2001年以降、あらゆるレベルで教育アクセスと品質を高めることを目指す一連の教育プログラムに着手しています。アフガニスタンのもろく不安定な状況に対応するため、IDAの教育プログラムは、参加、ドナー間や政府機関との調整の方針にのっとり、女子に着目した広範な目標を掲げ、以下の取り組みを通じて教育セクターの再建を図っています。

- 恵まれないグループ(特に女性と女子)のために教育機会へのアクセスを拡大する。
- 政策枠組みの開発とあらゆるレベルでの教育管理改革を、シビル・ソサエティ、NGO、民間セクターとのパートナーシップの下で支援する。
- 現役教師にトレーニングを行い、質の高いカリキュラムと教科書を開発し、コミュニティが子供たちのために質の高い教育を監視するよう奨励することにより、教育の質を高める。
- 省庁に、公務員のキャパシティ・ビルディングのための遠隔学習施設を設立するなど、近代的な情報通信技術を導入する。

結果

2001年以降、同プロジェクトが、一般教育、専門教育、職業教育を活性化させ、特に女子に恩恵をもたらしました。1-12年生の就学者数は、2004年の390万人から2008年には620万人に増えました。女子の就学者数は83万9000人から220万人以上へと一気に増え、男子の就学者数は260万人から390万人に増えました。これは、アフガニスタン史上、最も多い就学者数です。

特筆すべき成果:
- コミュニティの参加が拡大。5,796の学校管理委員会が設立され、最大20%の現物支給または現金にて学校インフラと教育の質向上 に貢献しました。

- 多数の教師に対するトレーニング。3万2467人の教師が総合的なトレーニング・モジュールを受けました。国内の他の教師にもトレーニングを行うため、教育省はアフガニスタン内外のNGOと契約を結びました(教師は合計で約16万人)。

- 高等教育の就学者数が増大。18すべての公立高等教育機関にブロック・グラントが提供され、長年にわたる衝突終結後の再開に充てられました。高等教育の就学者数は、2002年の2万3000人から2005年は4万人(うち8,000人が女子)となりました。5年間教育を禁止されていた女子の就学者数は8,000人(全体の22%)に上りました。高等教育機関の教授数は25%増の1,978人となりました。

- 校舎の新築。恵まれない地域にある58の学校(主に女子用)が再建または建築されました。

- 専門・職業トレーニングの実施。同プロジェクトは、全国資格枠組みを設立することにより標準的な専門・職業教育を促進するアフガニスタン技能開発プログラムを立ち上げました。その関連で、カブールの全国経営管理機関には現在2,700人が登録しています。

- 革新的なサービス提供の試行。同プロジェクトは、5つの省における教育サービス提供とコミュニティのエンパワーメントをNGOに外注しました。

- 政府改革の推進。8つの国家優先プログラムに着目した全国教育戦略5ヵ年計画が策定されました。政府は現在、学校経営の権限を州、地域、コミュニティに分散するよう推奨しています。

- 初のITキャパシティ・ビルディング。政策ならびにモニタリグと評価の分野で教育省を支援するため、初の教育管理情報システムが開発されました。

IDAの貢献

IDAは、紛争後の不安定な状態のアフガニスタンで、ドナー間の調整や、新たなプログラムのための緊急支援など、資金調達を先頭に立って進めてきました。2001年以降5件の教育プログラムに1億4000万ドルを拠出しています。

最初の3件のプロジェクトは比較的小規模なパイロット・プロジェクトで、全額がIDAの資金によるものでした:教育再建・開発のための緊急プロジェクト(2002-2006年、1500万ドル)、教育の質向上プログラム(2004-2009年、3500万ドル)、高等教育強化プログラム(2005-2010年、4000万ドル)。IDAは、第2次教育の質向上プログラム(2008-2012年、総コスト1億8670万ドル)に3000万ドルを拠出しました。アフガニスタン・スキル開発プロジェクト(2008-2013年)では、総コスト3600万ドルの内2000万ドルをIDAが負担しました。

パートナー

第2次教育の質向上プログラムには、パートナーである米国国際開発庁(USAID)とアフガニスタン復興基金が、それぞれ2200万ドルと1億3470万ドルを拠出しました。アフガニスタン・スキル開発プロジェクトのパートナーは、USAID(600万ドルを拠出)、ノルウェー(600万ドルを拠出)、アフガニスタン政府です。

次のステップ

第2次教育の質向上プログラムはフォローアップ・プログラムとして現在進行中であり、初等教育から高等教育まで教育セクター全体を対象としています。その目的は、緊急教育プロジェクトで試行された手法をスケールアップすることにあります。さらに、コミュニティに贈与を提供するためのメカニズムがアフガニスタンの34の州すべてにスケールアップされています。閉鎖されていた南部の学校を再開するに当たりコミュニティの長老たちを引き続き関与させること、生徒、教師、学校を守るためコミュニティを関与させることが、課題として残っています。

各プロジェクト/プログラムの詳細

教育再建・開発のための緊急プロジェクト(2002-2006年、1500万ドル)
プロジェクト文書

教育の質向上プログラム(2004-2009年、3500万ドル)
プロジェクト文書

高等教育強化プログラム(2005-2010年、4000万ドル)
プロジェクト文書

第2次教育の質向上プログラム(2008-2012年)
プロジェクト文書

アフガニスタン・スキル開発プロジェクト(2008-2013年)
プロジェクト文書




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