
1990年代の初め、マダガスカルの銀行はすべて国有でしたが正常に機能していませんでした。国営銀行は小口客への融資という当初の使命を放棄していたのです。その後10年間の自由化によって破綻していた金融セクターは息を吹き返したのですが、商業銀行が誕生しても貧しい顧客のニーズを適切に満たすことはできませんでした。

1993年から97年にかけて、試験的プロジェクトにより2つの州で貯蓄貸付組合のネットワークが構築されました。1999年に承認されたマイクロファイナンス・プロジェクトによってこの事業を拡大し、既存のネットワークを改善してさらに他の州でも同様のネットワークが立ち上げられました。女性は優良な借り手であるだけでなく優良な貯蓄者にもなることがリサーチによって証明されているため、また融資を利用できることが女性のエンパワーメントになるため、同プロジェクトには女性の参加確保を目的とする革新的プログラムも含まれています。

低所得層による金融サービスへのアクセスが過去6年間で大幅に増えました。国内6州のうち4つの州で活動している金融協同組合の活発なメンバーは15万人を超えます(うち51%は女性)。
特に顕著だった成果:
- 金融協同組合の数は1999年の47から2006年には150に増えました。
- マイクロ・ファイナンス・ネットワークに参加する顧客は6年間で3万人から15万9430人になりました。女性の参加は1999年には15%だったのが2006年には51%になりました。
- 融資額は730万ドルに達しました。平均融資残高は6年間で150ドルから311ドルへと倍になりました。
- 貯蓄額は総額で1110万ドルに達しました。メンバーの平均貯蓄額は6年間で20ドルから70ドルに増えました。
- 財政的に発展可能なネットワーク:プロジェクトの採算性(収益で資本金と運営費の一部をカバー)は目標を上回り、平均で133%を達成しました。
- プロジェクトは長期的な金融セクター改革の一環であり、新興のマイクロ・ファイナンス業界向けの法規制枠組みもすでに構築しました。

- 1640万ドル(総費用2040万ドルのうち)。
- 金融セクター改革に関する政府との長期的な関わり。
- 貸付よりも貯蓄に重点を置いた、他の国々にも応用可能な新しいアプローチを開発しました。
- 新しいマイクロ・ファイナンス法が制定されるとともに、中央銀行の指導や規制も慎重に改訂されました。中央銀行にマイクロ・ファイナンス監督部門が設けられ、有効に機能しています。
- 600人を対象としたトレーニング。プロジェクト前、正式なトレーニングを受け、マイクロ・ファイナンス機関を適切に運営できるマダガスカル住民はほとんどいませんでした。

国連資本開発基金、カナダのDevelopment International Desjardinsおよび欧州委員会。

同プロジェクトは、15年をかけて実行可能で持続可能なマイクロ・ファイナンス産業を構築することを目的としたプログラムの第1段階です。改革や制度構築の実現には時間を要し、息の長い支援を必要とするため、今後のプロジェクトを通じて、IDAの資金提供と技術支援はマイクロファイナンス機関が完全に機能し自立するまで続けられます。
同プロジェクトは、一般大衆に目を向けた貯蓄ベースのアプローチが農村金融サービス提供のための手段として、融資のみのアプローチよりも持続可能性の高いものになることを証明しています。ミレニアム・チャレンジ・アカウント、国連開発計画(UNDP)、フランス開発庁、アフリカ開発銀行、欧州連合などのドナーは、このプロジェクトを基にマイクロ・ファイナンス要素を取り入れた金融セクター・プロジェクトを準備中です。