Click here for search results
Online Media Briefing Cntr
Embargoed news for accredited journalists only.
Login / Register

アフガニスタンのアヘン対策鍵は貧しい農民に経済的チャンスを与えること-英国際開発省と世銀の合同報告書

Available in: Français, العربية, Español, Pushto, English, Dari
Press Release No:2008/203/SAR

WBG DFID logos

コンタクト:

In Kabul: Abdul Raouf Zia (93) 702 80800
azia@worldbank.org
ワシントンDC: Erik Nora (202) 458 4735
enora@worldbank.org
東京: 平井智子(81-3) 3597-6650
thirai@worldbank.org

東京、2008年2月5日- 経済的インセンティブのあり方を変え、アフガニスタン農村のアヘン生産への依存度を中長期的に減らしていくには、開発面で解決策を見出す必要がある-本日発表の英国際開発省(DFID)と世界銀行の報告書はこう指摘している。

同報告書は、農村経済への持続的投資から得られる利益は大きいと示唆し、アフガニスタンに展開する海外企業や組織に対し、現地での調達・生産を強く奨励している。

「アフガニスタン:アヘン生産低減のための経済的インセンティブと開発イニシアティブ(仮題)」と題する同報告書によると、こうした介入は、同国のより大局的な麻薬対策戦略の重要な構成要素であり、それには、警察、政治・行政面の活動をはじめ、治安とガバナンスの改善、自覚の形成、薬物の需要削減、薬物乱用者の治療なども含まれるとしている。

アフガニスタンは世界中の非合法なアヘンの生産と取引で90%以上を占めている。アヘンの経済規模は、合法的活動によるGDPのおよそ30%に相当し、何百万人ものアフガニスタン国民が直接または間接的にその恩恵を受けている。同報告書によると、アヘンによる経済的な問題は農村で突出している。アヘン生産が最も価値の高い農業活動として、何億人もの国民に収入と雇用を提供しているからだ。

東京で開かれる国際ドナーとアフガニスタン政府の会合の機会に発表された同報告書は、こうした麻薬経済が、他の農産物や別の生計手段のない遠隔地や治安の悪い地域で活発だとしている。現在、アヘンの生産は治安が最も悪い南部5州に集中する傾向を強めている。そのため、弱い立場の農民に対して、土地利用、信用、食糧確保、持続的な生計確保を支援するなどして、アヘンに代わる生計手段が農民の抱える問題に応えるものであることが重要になる。

同報告書は、インフラ、市場、サービスの本格的な整備につながる開発活動を今後数年にわたって実施し、持続可能な成長に弾みをつけるよう提言している。さらに、安全確保、より良いガバナンスと実効的な草の根組織への支援も重要だと主張する。そうすることで、農村部の人々と地方・中央政府の間の責任関係と信頼関係が強化される。

こうした環境が醸成されれば、アヘン用ケシ栽培の削減が達成可能なことは、これまでの経験から明らかである。たとえば、バダフシャン州の一部地域では、住民が都市部に近いところに住み、農産物市場と労働市場の両方にアクセスできるため、アヘン用ケシ栽培の削減が比較的短期間のうちに実現できた。

同報告書は安全確保と良いガバナンスがいかに重要かを強調している。「ガバナンスと安全が確保されていなければ合法的に生計を維持していくことはできません。そうした状況でこそ、合法的市場の育成や資産蓄積、正常な経済活動の拡大が可能だからです」と世銀のアフガニスタン担当局長アレステア・マケクニーは述べる。「国家連帯プログラム(NSP)などの努力ですでに設立済みの有望なコミュニティ組織を基盤として、強固な制度上の枠組みを構築しなければなりません」 

同報告書は6つの短期的介入を優先項目として提言している。

  1. コミュニティに根ざしたプログラムによる農村開発の加速化。
  2. 灌漑農地の拡張。
  3. 貧困層の生計および資産の増加につながる家畜の増大。
  4. 農村企業や事業の育成のための機会作り。
  5. アフガニスタンの保護と復興に携わる国際パートナーによる現地調達、現地雇用の奨励。
  6. 適切な工芸作物の生産・販売のための潜在的機会の追求。

反政府勢力や内戦が一部の地域にはびこり、開発の余地を狭めている現状を踏まえながらも、同報告書は、現地の自主性やコミュニティの参加の最大化、現地の実施パートナーやスタッフ(コミュニティの組織や出身者が望ましい)との共同作業、プロジェクトを地元コミュニティの最優先項目とすること、各プロジェクトから「外国人であることがわかる印」の除去など、前進に向け可能な一連の方策を提言している。ヘルマンド州のような治安が最悪の場所では選択肢がさらに限られてくるが、それでも、都市内部やその周辺に散在する治安のよい場所に重点的に投資したり、労働集約的な公共事業を支援したり、安全な場合は農村の道路を拡張したり、必要であれば教育機関などの人的資本への投資を奨励したりすることが可能かもしれない。ただし、内戦や治安の悪さが現状のまま続くのであれば、今後の展望に期待を抱くべきではない。

農村開発向けの支援をガバナンス構築と結びつけることは、人々の暮らしに大きな影響を及ぼし、ひいてはアヘン経済に多大な打撃を与える可能性がある。同報告書は、農村部への投資にきわめて効果的であることがすでに立証されている「国家道路整備計画(NRAP)」や「国家連帯プログラム(NSP)」など、現在進行中でしかも成功を収めている国家プログラムの規模拡大と併合を呼びかけている。さらに、NSPの一環で現地開発パートナーとして設立された「コミュニティ開発委員会(CDC)」の役割拡充も提案している。これは、農村コミュニティが商業活動への移行を支援するのに不可欠な物理的・制度上のインフラを構築するのに役立つだろう。とりわけインフラは決定的に重要である。現在、アフガニスタンにある396の県のうち108では、県庁所在地まで道路が通っていない。

同報告書はまた、重要な支援先として灌漑と家畜飼育の分野を挙げている。アフガニスタンの土地は乾燥しており、農業生産にはほとんどの場合、灌漑が必要となる。そのため灌漑は生計を立て、より高価値の作物への移行を推進するのに不可欠である。同報告書は、段階的に投資を増やす10カ年計画(12億ドル)を提案している。家畜への支援を拡充することも充分可能であり、獣医の診察を強化し、酪農・養鶏の小規模イニシアティブを支援する全国規模のプログラムも進められている、と同報告書は述べている。

さらに農村企業の育成が雇用や富の創出に及ぼす影響も大きい。同報告書はビジネス環境の整備や事業支援プログラムの影響拡大に役立つ数多くの提言を挙げている。その中には、アフガニスタンのトラックによる近隣諸国へのアクセス向上、資金プールの形成、工業団地の拡大、輸出基準の向上、税関強化といったものが含まれる。

大きな成果を上げるであろう措置として直ちに実行できるのは、海外企業や組織による現地調達だ。国際平和維持活動の予算のうち、当該国内に恩恵として残るのはわずか4~9%であることが世界規模の調査で明らかになっている。同報告書は、アフガニスタン協定を支持するすべての国の政府が現地調達の大幅増大を確約するよう勧告している。そうした調達の大半は、高価値の農産物となり、その多くをアヘンに手を染めがちな地域で栽培できるはずだ。

国内の多くの地域では、脂肪種子、果実、木の実、綿花、野菜など、高価値の園芸、工芸、もしくは輸出用の作物を生産できる潜在性がある。同報告書は、こうした作物の一貫生産と市場育成プログラムがきわめて大きな利益をもたらし得ると述べている。

最後に、アフガニスタンのアヘン経済の段階的な廃絶は、網の目状に張り巡らされた良いガバナンスと、合法的な経済活動への従事を促すインセンティブによって実現できるであろうと、同報告書は強調する。だが、そのいずれにも、時間と持続的な取り組み、そして資源が必要となる。

「手っ取り早い解決策でアヘン生産を短期に削減しようとするのは、錯覚を引き起こし、長期的な効果を損なうだけです」と、世銀エコノミストで本報告書の共同執筆者であるウィリアム・バードは言う。「その果実は中・長期的なものであって、それを得るには、一貫性あるアプローチ、短期的な後退に直面したときの粘り強さ、大規模で調整された持続的投資が不可欠です」


本報告書の全文とアフガニスタンにおける世銀業務の詳細情報については、
こちらのウエブサイトをご覧ください。
http://www.worldbank.org.af

本報告書の全文と、アフガニスタンや世界各地におけるDFID業務の詳細情報については、
こちらのウエブサイトをご覧ください。
http://www.dfid.gov.uk/


Related News

気候変動に関する東京フォーラム:主要8カ国・新興経済国の国会議員100人が G8サミットでの地球温暖化対策推進を呼びかけ
政府系ファンドはアフリカに投資すべきとゼーリック総裁
「現下の世界経済運営における政治的課題」



Permanent URL for this page: http://go.worldbank.org/L3UYB1HE90