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世界的な金融危機: 確かな未来を築く今日の対応

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世界銀行グループ・バックグラウンド・ペーパー
金融市場と世界経済に関するG20サミット(於ワシントンDC、2008年11月15日)

世界的な金融危機: 確かな未来を築く今日の対応

基本メッセージ

 

開発途上国の多くが危険ゾーンに入りつつある。途上国の2009年の成長見通しは、これまでの6.4%から4.5%へと下方修正された。高所得国の経済はすでに多くが景気後退期に入り、来年は0.1%縮小すると見られる。世界経済はかろうじて1%の成長を見込んでいる。先行きの不透明感は強く、こうしたシナリオすら甘すぎる可能性がある。国民1人当たりの成長率や絶対的成長率がマイナスに転ずるほど、平均よりはるかに強い打撃を受ける途上国もでるだろう。

食糧・燃料価格の高騰の直後に起きた今回の世界的な金融危機は、貧困との闘いを大きく後退させる恐れがある。急激な信用収縮と成長鈍化が政府の歳入低下を招き、教育、保健、ジェンダー分野の目的達成に向けた投資能力を弱めかねない。そうした中で一番の打撃を受けるのは貧しい人々である。現在の試算では、途上国の成長率が1%下がると新たに2000万人が貧困状態に陥ると見られている。食糧価格と燃料価格の高騰で、すでに1億人が貧困に陥っている。

グローバリゼーションが一段と進んだ今日の世界では、いずこの危機も瞬時に世界中に広がる可能性があり、その対応には世界規模での協調、弾力性、迅速性が必要となる。政策上の課題に対しては国レベルの対応が必要だが、各国での取り組みを支援するため国際社会の協調がこれまで以上に重要である。

過去の危機から得た教訓は、長期的な開発への投資を維持することの重要性を如実に示している。途上国が新しい財政の現実に合わせて予算を調整するにつれ、インフラや社会開発への長期的投資を維持し、基礎的な公共支出の不要な削減を避け、長期的視点に立つ質の高い経済成長を確保するための慎重な予算管理が必須となる。こうした措置は、ミレニアム開発目標の達成に向けて再スタートを切るために不可欠である。そこで重要なのは、援助のフローを円滑に保ち、誓約を履行し、必要に応じて補充することである。年間およそ1000億ドルに上る政府開発援助(ODA)も、先進国の金融危機対策に投じられた金額に比べると慎ましやかな額である。

世界銀行は、パートナーとの協力により、危機への多面的対応に必要な架け橋の構築を支援することができる。それは、最も貧しく最も弱い立場の人々を当面の打撃から、そして長期的な悪影響から守り、金融・民間セクターによる危機対応の助けとなる行動をとり、各国の厳しい財政管理を支援し、危機からの立ち直りや長期的開発に不可欠な長期投資を遅滞なく行う上で肝要となる。

世界銀行グループは、顧客国への財務支援を大幅に拡大できる地位にある。国際復興開発銀行(IBRD)は、今年のコミット額を3倍に増やすなど、今後3年間の新規コミット額を1000億ドルまで引き上げるだけの十分な資本を有する。過去最高の増資に成功した国際開発協会(IDA)は、向こう3年間の最貧国向け支援として420億ドルを用意し、多額の前倒し実施も可能としている。国際金融公社(IFC)は、銀行資本の強化、インフラ融資、貿易振興、アドバイザリー・サービス再着目という4つの投融資制度を新設しつつある。これら制度の資金に他からの資金を合わせると、今後3年間で総額300億ドル以上を提供できる見込みである。多数国間投資保証機関(MIGA)はまた、途上国の銀行システムに最も必要とされる流動性を供給できる。




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