| コンタクト: ワシントン: Elisabeth Mealey (202) 458 4475 emealey@worldbank.org 東京: 平井智子 (81-3) 3597-6650 thirai@worldbank.org Mohamad Al-Arief (202) 458-5964 malarief@worldbank.org 東京、2008年12月10日 - 東アジア諸国は、1997年のアジア金融危機の際と比べると、今回の危機へは相当備えができていたはずであったが、どの国もこの世界的な経済の嵐から無傷ではなかった - 世界銀行が半年ごとに地域諸国の経済状況を評価する「東アジア・大洋州地域 半期経済報告書」最新版はこう指摘している。
同報告書は、輸出の伸びが鈍り、投資・消費が縮小する中、東アジアの途上国*の実質GDP成長率は2008年の8.5%から2009年には.6.7%に減速すると予測している。また、東アジア全体(域内途上国に加え韓国、シンガポール、香港、マレーシアを含む)のGDP成長率は、今年の7.0%から2009年には5.3%に低下すると予測している。 同報告書は、東アジアの短期的な下方リスクは大幅としながらも、マクロ経済の安定性を維持し、輸出を急成長地域に振り向け、外需を内需で代替し、競争力強化のための構造改革を続行できる国は、今回の危機に効果的に対応できるであろうと強調している。 世界銀行東アジア・大洋州地域担当副総裁のジム・アダムズは、東アジア諸国がこれまで迅速かつ効果的な政策介入によって、世界的危機の最悪の影響を免れていると称賛している。 「概ね全ての東アジア諸国の政策当局が迅速に行動したおかげで、今のところ銀行システムは危機に対応できており、多くの国で、景気刺激策が実行されつつある」と、同副総裁は述べている。「こうした行動は、東アジア諸国が今後も世界経済の安定化に重要な役割を果たし、成長の一極の地位を維持することに貢献している」 アダムズ副総裁は、世銀の予測では、東アジアは世界的な景気後退にもかかわらず、2008年の世界全体の成長の寄与度の約1/3を占めると述べた。 2009年の見通しは厳しいとする同報告書だが、今回の危機の際に、債務負担が小さく、財政収支および経常収支が黒字で多額の外貨準備を有していた国々は、今回の危機を切り抜ける政策の余地が広いとしている。 「今後の道のりは険しいが、これまでの健全な政策を維持し、新たな課題に断固として取り組む国々は、世界経済が回復し始めるとき、より強固な立場を手にすることになるだろう」と、世界銀行東アジア・大洋州地域担当チーフ・エコノミストのビクラム・ネルーは述べた。 同報告書は、同地域で最も脆弱なのは、資本勘定の開放度が高く、非居住者による直接投資比率が高く、外国からの間接投資に大きく依存する国々だと警告する。一方、低所得国(ラオス、カンボジア、パプアニューギニア、東ティモール、大洋州の島嶼国)は、銀行システムが世界市場にさほどのエクスポージャをもたないため、今回の金融危機の影響はあまり受けていないが、一次産品輸出の低下、観光収入の縮小、出稼ぎ労働者からの送金の減少による影響は受けることになる。 2009年において、貧困比率は低下を続け、東アジア途上国全体で10.68%となると見込まれる(ただし本年前半の予想は10.36%)。同地域の貧困者数も減少を続けると見られるが、今回の危機がなければ、さらに560万人が貧困を脱却できたはずである。
* 東アジアの途上国とは、中国、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、モンゴル、パプアニューギニア、大洋州の島嶼国を指す。 「東アジア・大洋州地域 半期経済報告書」は、世界銀行が同地域の経済について包括的にまとめた報告書である。年に2回発行されており、解禁後は以下の世界銀行サイトにて無料で全文を閲覧できる。http://www.worldbank.org/eapupdate 登録済みのジャーナリストの方は解禁前も報告書の全文をオンライン・メディア・ブリーフィング・センターにて閲覧可能。登録済みのジャーナリストには自動的に通告が送られる。登録はhttp://media.worldbank.org/にて受付中。
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