コンタクト: ワシントン: Merrell Tuck 携帯 (202) 415 1775 mtuckprimdahl@worldbank.org Kavita Watsa (202) 458-8810 kwatsa@worldbank.org 東京: 平井智子 (81-3) 3597-6650 thirai@worldbank.org ワシントン、2009年6月29日 —今年の「世界ガバナンス指標(WGI) 1996-2008 」によれば、過去10年間に多くの国々がガバナンスと腐敗防止の成果を上げたものの、そうした改善の進んでいない国もまだ多い。 WGIは、各国のガバナンス指標に関する最も包括的な報告書の一つであるが、今回は第8次報告となる。同報告では、先進国と途上国の両方が引き続き深刻な課題を抱えているとしつつも、ガバナンスの改善と開発成果の向上は密接に関係していると強調している。
「喜ばしいことに、ガバナンスの課題を認識して対応している国々では、政治家、政策担当者、シビルソサエティ、民間セクターによる協調した取り組みを反映して着実な進歩を見せていることだ」と、同報告の共同執筆者のアート・クラーイ(世界銀行開発リサーチ・グループ・リード・エコノミスト)は述べている。 その一方で歩みの遅い国もあり、さらに懸念すべきは、国によってはガバナンスの主要項目が後退していることである。事実、今回のWGIは、多くの先進国や新興国でガバナンス改善の余地が大きいと指摘している。 「富と力を持っているからと言って、ガバナンスや腐敗防止力が最高水準にある国とは限らない。金融危機を見れば、G8といってもガバナンスの質が必ずしも模範的でない」と、もう一人の執筆者のダニエル・カウフマン(ブルッキングス研究所シニア・フェロー)は述べている。 WGIは、カウフマンとクラーイが1990年代の終わりに着手したリサーチ・プロジェクトであるが、現在はマッシモ・マストルッツィ(世界銀行研究所)も共同執筆している。同報告はガバナンスをその国の統治に関わる伝統と制度と位置づけている。具体的には、政府がいかにして選ばれ、モニターされ、交替させられるか、政府に健全な政策を効果的に策定・実施する能力があるか、経済社会に関する法制度が国民や国によって遵守されているかが評価基準となる。WGIは主に以下の6つの側面からガバナンスを評価している。 - ボイスと説明責任:その国の国民が政府の選択にどの程度参加できるか、表現・結社・報道の自由の度合い。
- 政治的安定と暴力のない社会:テロリズムなどの暴力行為や基本的な法制度に違反した行為によって、政府が不安定になる可能性。
- 政府の能力:公共サービスの質、公務員の能力と政治的圧力からの中立、政策策定の質。
- 規制監督の質:政府が民間セクターの発展を可能にし促進する健全な政策や規制を実施する能力
- 法の支配:当局による法制度の遵守保障状況、財産権の保障の程度、警察、裁判所などの質、犯罪リスクを含む。
- 腐敗の抑制:公権力が私的利益のために行使される度合い。大小さまざまな腐敗のほか、少数エリートによる国家の「乗っ取り」を含む。
WGIは212の国と地域を対象に、35の異なるデータソースから集めた数百の変数により、世界中の数万人の回答者ならびに民間セクター、NGO、公共セクターの数千人の専門家の見解をまとめている。 「WGIは、ガバナンスと腐敗の程度を明らかにしており、その結果得られた教訓は改革を進める政府や開発コミュニティ、シビルソサエティ、メディアなどが実際に利用できる」と、ジョン・ギソンゴ(前ケニア大統領室ガバナンス・倫理担当事務次官)は評価している。 ガバナンスの向上は、貧困との闘いを助け、生活水準を高める。WGI執筆者を含めた多くの研究者によるリサーチの結論によれば、ガバナンスの向上が開発を強化することを示している。ガバナンスが1標準偏差改善すると、乳児死亡率は3分の2減り、所得は長期的には約3倍になる。ガバナンスのそうした改善はすぐにも達成可能だ。というのもこの差は、ガバナンスの最も悪い国と最も高い国との差のごく一部に過ぎないからだ。たとえば法の支配の分野における1標準偏差の違いは、アフガニスタンやジンバブエのような極めて低い値と、やはり低いナイジェリアやパラグアイの値との違いに過ぎない。あるいは、トルコやガーナのさほど高くない値と、それより高いポルトガルやチリの値の違いもまた、こうした国々とノルウェイやニュージーランドなどの最高の値の国々との違いに過ぎない。 ガバナンスの評価で正確を期すことは困難である。 WGIのひとつの特徴は、こうした不正確性を明示していることであり、国の比較を行う場合にはすべて誤差の範囲を考慮すべきとしている点である。 改革に対するコミットメントがあれば、ガバナンスの改善は実現可能である。 1998年から2008年までの10年間に、すべての地域においてガバナンスを大幅に改善した国がある。ひどく低いレベルから始めなければならない時期があったにもかかわらずだ。その例として、ボイスと説明責任ではガーナ、ニジェール、ペルー、政治的安定と暴力/テロリズムのない社会ではアルジェリアとアンゴラ、シエラレオネ、政府の能力では中国、コロンビア、ルワンダ、規制監督の質ではコンゴ民主共和国、グルジア、リビア、法の支配では、ラトビア、リベリア、ルワンダ、腐敗の抑制ではインドネシア、リベリア、セルビアを挙げることができる。 ガバナンスの質は世界全体では過去10年間にあまり改善していない。成果を上げた国々があった一方で、それと同様の数の国々(ジンバブエ、コートジボワール、ベラルーシ、エリトリア、ベネズエラなど)でガバナンスの指標に悪化が見られた。その他の多くの国々では、近年、改善と悪化のいずれの方向にも大きな変化は認められていない。
「ガバナンス報告VIII:世界ガバナンス指標(WGI) 1996-2008 」の報告書全文、主要調査結果のまとめ、最新のWGIデータは、解禁後に以下のサイトでご覧いただけます。 http://www.govindicators.org WGIは世界銀行とブルッキングス研究所の職員による共同リサーチをまとめたものであり、ブルッキングス研究所、世界銀行、または加盟国の公式見解を反映したものではありません。WGI は世銀グループが資金の配分を行う際の根拠には使われません。
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