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情報公開の取組み:世界銀行、調査研究と知識のオープン・アクセス政策を実施へ

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  • 世界銀行は国際機関として初めて、調査研究の大半をクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの条件で自由なアクセスを了承
  • 同リポジトリ収蔵の数多くの論文、報告書、調査研究論文は自由に共有・二次利用可
  • オープン・ナレッジ・リポジトリのコンテンツは、検索エンジンやテキスト・マイニング・ツールにより効率的かつ高速に検索・解析できるよう整理・調整

世銀の出版物、調査研究のアクセス・二次利用が一層容易に

2012年4月4日—世界銀行が、所有する膨大なデータの一般公開に踏み切ってから2年が経つ。世銀は、検索エンジンが動作しやすい環境のオープン・ナレッジ・リポジトリ内に出版物、記事、報告書、論文などを収蔵しているが、このほど、2,000点を越えるこれらの資料を一般市民が配布、二次利用、活用できることになった。一部は有償での提供となる。

同リポジトリは、本日より運用が開始される。世銀の調査研究や報告書等がほぼすべて揃っており、学生、図書館関係者、政府担当官をはじめ世銀の知見データに関心を持つ誰でも、無料・無制限のアクセスが可能となる。各言語版や各種データへのリンクなどの資料も、来年追加の予定である。

さらに、世界中での知見共有促進を目指して、世銀は国際機関として初めて、クリエイティブ・コモンズの提供する著作権 ライセンスの条件下による自由なアクセスを認める。クリエイティブ・コモンズは、「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」を提供する非営利団体で、インターネット上の情報へのアクセスもカバーする新しい著作権ルールの普及を目指している。

同リポジトリとクリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、7月1日発効の新たなオープン・アクセス政策に盛り込まれており、1年をかけて段階的に実施される。世銀はこれまでも調査研究と知見をオンライン上で無料公開してきたが、同政策により今後は正式な取組みとして実施することになる。ただしこれまでと違い、世銀が著作権を留保する旨を明記することを条件に、自由に共有・二次利用できるようになる。

さらに、出版社が定期購読者のみを対象に出版した論文の著者最終稿 は、解禁後に一般公開用リポジトリで無料公開される。ただし、その二次利用については、世銀発表の資料よりも限定的となる。例えば、「 世界銀行リサーチ・オブザーバー」と「世界銀行エコノミック・レビュー」(共にオックスフォード・ユニバーシティ・プレス発行)に発表された2007年から2010年の論文が、現在同リポジトリに収蔵されている。
「知識は力です」と世界銀行グループのロバート・B・ゼーリック総裁は述べている。「我々の知識を幅広く提供すれば、世界中の特に困難な問題に対するソリューションが生み出されることにつながるでしょう。新しいオープン・アクセス政策を実施することは、透明性の強化を推進する世銀にとってはごく自然な展開です」

ハーバード大学の法学教授でクリエイティブ・コモンズの創設者、ローレンス・レシッグは、世銀のオープン・アクセス政策について、「これは重要かつ極めて貴重なシグナルです」と述べている。「クリエイティブ・コモンズは、人々が自らの作品の自由な活用への意思表示を、より簡単にすることを目指しています。我々のこの目標は、世界銀行が目指すモデルと合致しています。世銀が先陣を切って、取り入れてくれることを喜ばしく思っています」
ハーバードオープン・アクセス・プロジェクトで責任者を務めるピーター・スーバーは、世銀の新政策は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを採用したという点で「先駆的」と述べている。「世銀のような大きな組織が限界を超え、無料公開を認めるだけでなく共有・二次利用も無料としたことは素晴らしいことです」

検索エンジンやテキスト・マイニング・ツール用に最適化

今回の新しいオープン・アクセス政策は、世銀の情報公開、透明性、説明責任の強化に向けて過去2年間にわたって進められてきた一連のイニシアティブを締めくくるものです。世銀は2010年4月、各国の関係者による利用を促進するため「世界開発指標」を販売することを止め、他の60以上のデータセットと共に無料で提供することを決めた。こうした背景を受け、世界銀行は昨年、透明性の高い機関のトップに選ばれるに至った。世銀の「オープン・データ」サイトには2010年4月以降1150万人以上が訪れており、今や世銀のウェブサイトの中で最も人気が高く、アクセス数全体の3分の1近くを占めている。

「今回の新政策は、世銀の情報公開や透明性を強化するための様々な取り組みからの自然な流れです」と、世界銀行のキャロライン・アンスティ専務理事は述べている。「インターネットにアクセスのある人なら誰でも、世界銀行の知識に従来よりはるかにアクセスしやすくなります。またインターネットへのアクセスのない人々にとっても、世銀のコンテンツに新たな言語やプラットフォーム、メディア向け再利用や付加価値が加えられる可能性が無限に広がることを意味します。こうした情報をその恩恵を受けるすべての人々の手元に届けることで、開発の民主化がさらに推進されるのです」

世銀の調査研究や報告書等はその大半がこれまでもオンライン上で無料で提供されてきたが、「このイニシアティブによって途上国を中心に、より幅広い人が世銀の研究の出版機関版にアクセスできるようになります」と、世銀の開発研究グループでリサーチ・マネージャを務めるアダム・ワグスタッフは述べている。

今回の取組みの一環として、コンテンツにメタデータをつけ、検索エンジンの他、テキスト・マイニングやデータ・マイニングといったテクノロジーでの追跡・解析をより容易にする。同リポジトリは、RePEc (経済学リサーチ論文)SSRNエコノミスト・オンラインなど、他の主要な国際的リポジトリとの完全な相互運用が可能となる。つまり、世界銀行がオープン・ナレッジ・リポジトリで一度公開するだけで、検索可能な他の多くのオンライン・リポジトリを通じて一般に提供されるので、より多くの人が世銀のコンテンツを探し当てることができるようになる。

「世界銀行が、このように幅広い人々を対象にコンテンツを提供することは実に喜ばしい」と、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の最高情報責任者でネレウスの議長を務めるジャン・サイクスは述べている。ネレウスは、経済学の文献を集めたヨーロッパの主要図書館のコンソーシアムとして、エコノミスト・オンライン・リポジトリへの自由なアクセスを提供していることで有名だ。LSEは、ネレウスに加盟する他の16の図書館と共に、リサーチ文献をエコノミスト・オンラインおよびRePECに提供しており、両サイトで閲覧できる文献は90万点以上に上る(その多くは全文への無料アクセス)。世界銀行のコンテンツも将来的にエコノミスト・オンラインに掲載される予定だ。

「これほど多くのコンテンツにインターネット上で無料かつ即座にアクセスでき、しかもいくつもの国際的な主要リポジトリが「ゲートウェイ」となって検索が可能であり、さらに世銀が発表したコンテンツについては解禁前にも閲覧できる。これは、経済学の研究者にとって素晴らしい進歩となるでしょう」と、サイクスは述べている。「おそらく世界銀行のこの取組みは、データ公開に制限をかけている経済分野の他の出版機関にとって、情報公開の先例となるでしょう」

世銀は、専門家同士で論文を確認し合い、出版機関最終版をリポジトリに追加するまでにどの程度の利用制限期間を設けるのが適切かを、論文出版機関と協力して決定する。執筆段階の学術論文は、クリエイティブ・コモンズのCC BY(表示)ライセンス付でオープン・ナレッジ・リポジトリに収蔵されており、利用制限期間は設けられていない。

世界銀行出版局のカルロス・ラッセルは、より多くの機関がオープン・アクセスを提供するようになり、学術論文出版界がインターネット時代に適応するにつれ、学術論文の利用制限期間が短縮されるものと期待している。「すでに目覚しい変化が起きています。論文の出版機関による付加価値の一部は他の手段でも実現可能ですが、より重要なのは我々の知識をすぐに使える状態にすることなのです」と、ラッセルは述べている。

© The World Bank
Open Knowledge Repository Website

情報公開:途上国にとっての便益

世界中で様々なデバイスを使ったインターネット・ユーザーが増える中、各機関がオープン・アクセス政策を採用する傾向が強まっている。機関リポジトリのディレクトリ「OpenDOAR」 によると、現在、オープン・アクセスのために機関リポジトリは世界で2,180件に上る。

「オープン・アクセスは途上国にとって特に有用です」とスーバーは述べている。「誰もが何にでもアクセスできるようになるのが理想であり、先進国が途上国に研究結果を提供したり、その逆という状況はあるべき姿ではありません。オープン・アクセスは双方向であるべきです」

世銀の新政策の最大の便益の一つは、「同じ土俵に立てるようにすることだ」と、国際学術情報流通基盤整備事業(SPARC)の事務局長ヘザー・ジョセフは述べている。「これまでは料金を払える人しか入手できなかった情報が一般公開されるのです。開発アジェンダに取り組む組織であれば、誰もが平等なアクセスを得られるようにすることこそが目標であるべきです」

アメリカン大学の情報・司法・知的財産プログラムの責任者マイケル・キャロルは、世銀のオープン・アクセス政策は「インターネットの可能性をフルに実現するためのプロセスにとって極めて重要な一歩だと思う」と述べている。

「特に世銀のような機関の場合、そのデータは、経済や技術の発達段階が様々に異なる世界中の国々に対して発表されるので、アクセス制限の撤廃は、実際的にも象徴としても、大きな意味を持つ一歩です」とキャロルは述べている。

学術情報の公開を求める学生たちが創設した研究権連合の学生支援責任者ニック・ショッキーは、「クリエイティブ・コモンズのCC BYライセンスの下でデータを全面公開することにより、世界銀行はすべての学生にデータや分析の閲覧を認めるのみならず、オープン・ライセンスの下で二次利用が認められていることから、データは最大限活用されるようになるでしょう」と述べている。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス下での二次利用

世銀は、自ら公表する調査研究や報告書について、クリエイティブ・コモンズのCC BY(表示)ライセンスを採用した。CC BYの下では特に大きな自由が認められ、世界開発報告ビジネス環境の現状、さらには世銀が資金を提供した外部研究者による調査研究などの主要報告書も対象となっている。CC BYライセンス付きの調査研究は、世銀が著作権を留保する旨が明記されていることを条件に、無料、かつ許可を得ることなく、翻訳やウィキペディアへの投稿などの目的に二次利用できる。CC BYライセンスは世銀が、自らの評判とコンテンツの完全性を守りながらも、最大のインパクトの実現に役立つ。世銀以外から発表された論文の著者最終稿は、解禁後にオープン・ナレッジ・リポジトリに追加されるが、出版機関が自由度が高めのクリエイティブ・コモンズCC BYライセンスでの公開に同意しない場合は、CC BY-NC-ND(表示-非営利-改変禁止)ライセンスの下での公開となる。CC BY-NC-NDライセンスの下で公開された論文は、世銀が著作権を留保する旨が明記されることを条件にダウンロードして共有することが可能だが、営利目的での活用・利用は認められない。


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